還元澱粉糖化物ってなに?還元水飴(還元水あめ)ってなに?

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私たちが普段食べている加工食品に何が入っているのか知りたいと思ってこのブログを始めましたが、食品の原材料表示を見てみると、難しい専門用語やカタカナ表記の物質名がさっぱりわかりません。

しかも調べれば調べるほど原子や分子が登場して、化学が苦手で大嫌いだった私には身の毛もよだつ思いです(汗)

ですが、一般人の私が、頑張って色々調べてみた結果が以下です。
今回は「還元水飴」がテーマです。間違っていたら教えてね。

還元水飴(還元水あめ)と還元澱粉糖化物と還元オリゴ糖は同じもの

ある食品の原材料を見てみたら「還元澱粉糖化物」という言葉が出てきました。
初めて見る言葉だったので、何だろう?と思って調べてみたら還元水飴の別称でした。
以下のPDFによると還元水飴は  ”還元澱粉加水分解物,還元澱粉糖化物,還元オリゴ糖などの名称が使用される場合もある” と書いてありました。

🌐 参考:[PDF]日本食を支える還元水あめの役割(物産フードサイエンス(株)/月刊フードケミカル)

それにしても食品の原材料表示は、本当に統一されていないものですね。「水飴」と「水あめ」なら素人にも同じものとわかりますが、専門用語になると何が同じで何が別物なのか、本当にわかりづらいです。

還元水飴とは?

還元水飴というのは、水飴に水素を加えて変化させたものです。水飴に含まれる酸素が水素と反応して(還元)中味の構成が変わり、性質が安定して「熱、酸、アルカリに強い」「微生物の栄養になりにくい」「消化吸収されにくい」など、砂糖とは違う特長が現れます。

元々は第二次世界大戦中やその後の砂糖不足の時代に、砂糖の代替品として使われたものですが、現在では甘さ以外の特性に着もして、タレ、ドレッシングや米菓などのテリ・ツヤの向上に使われたり、保存料として使われたり、熱や酸に強く色が変化しにくいことから、食品の褐変対策にも使われています。

還元水飴には合成甘味料であるソルビトールが多く含まれるそうですが、法令上は「食品」という扱いのため、原材料表示では食品添加物とされません。ソルビトールにも議論がありますが、表示上の隠れ蓑になっている点にも議論があります。

このブログでは以下のような食品に使われています。

👉 このブログを”還元水飴(還元水あめ)”で検索すると・・・

・・・と、ここまで書けるようになるためには以下のような学習(笑)経緯を辿りました(大変でした)。
ここまでを総論とすると、以下が各論?になります。

糖アルコールとは?

還元水飴を調べてると必ず「糖アルコール」という言葉にぶち当たります。多くのサイトで還元水飴は糖アルコールのひとつであると解説されているからです。
ですが、素人の私は「アルコール」という言葉を見ると、どうしてもお酒や消毒用アルコールを想像してしまい、思考が混乱して理解力が著しく阻害されます。

糖アルコールはお酒や消毒用アルコール(エタノール)とは全くの別物

結論から先に言うと、アルコールというのは、原子同士がヒドロキシ基(水酸基。旧名はヒドロキシル基)という結合スタイルで成り立っている有機化合物の一般名です。なので化学の世界ではヒドロキシ基で構成されている物質は概ね「アルコール」なのです。
つまり”エチレン・グリコールのように凍結防止剤に使われる物質、これもアルコールです。そしてイソプロピルや消毒用アルコールとしても知られている2プロパノールもアルコール” なんだそうです。
そして「アルコール」の仲間は一般人が想像する以上に幅が広くて、特性もそれぞれにかなり違うのです。

🌐 引用:低カロリーで甘い「糖アルコール」とはなにか? – ログミーBiz

澱粉を化学的にちょん切って原子の繋がり変えると最終的に糖アルコールになる

  

(画像:(左)三昌(株)、(右)車山レア・メモリーが語る細胞内の炭素化合物

還元水飴は水飴に水素を加えたものですが、元々の水飴はでん粉から作られる食べ物です。
でん粉の分子式は「(C6H10O5n 」(左図)なので、これをどうにかすれば「アルコール」と総称されるヒドロキシ基(上図の右側)を持つ構成(右図)に変えられそうな雰囲気は素人の私にでもなんとなくわかります。

そこでまず、還元水飴の前段階である「水飴」を工業的に作るにはでん粉を化学的にちょん切って(分解)、組合せが変わるようにあれこれ画策させるのだ、という認識に至りました。すると不思議なことに味のないでん粉から甘い水飴ができるんだそうです。(そのために使われるのが酸(主にシュウ酸)や酵素ですが、本題から離れてしまうのでここでは言及せず)

そしてその水飴に水素を加えて酸と反応させ(還元)、さらに別な物質に変えたのが還元水飴です。
還元水飴にはでん粉から作られるものと、麦芽糖から作られるものがあるようです。
下の図は麦芽糖から作られるほうの変化を表したものですが、基本は同じだと思います。
でん粉や麦芽糖を高温・高圧にして水素と触媒を加えると、末端の酸素が水素と反応して、グルコース(ブドウ糖)とソルビトールがくっついたものに変わるんですね。へー。

画像:技術用語解説の図を管理人が一部編集

 

この物質を水飴っぽく(粘度や機能)するかどうかは、現在では、製造過程で調整可能なようです。

還元水飴はなぜ作られた?

個人的ショック!水飴は砂糖から作られているのではない!

私はこの記事を書くまでは、水飴は甘いので砂糖から作られていると思っていました。
そのため、「穀類やイモ類を原料とするでん粉」から作られると知り、軽い衝撃を受けています(汗)

そもそもの水飴は発芽玄米の酵素を利用してお米から作られていました(古くは平安時代?)。それが、より効率のいい麦芽が糖化酵素として使われるようになり(古くは1600年代?)、それがその後の発見により、1900年代の初めに酸に取って代わったというのが歴史のようです。

澱粉糖はそもそも砂糖の代用品だった

今回は還元水飴について書いていますが、還元水飴は合成甘味料を作る手順とほぼ同じなんです。
砂糖はサトウキビやテンサイ(甜菜。砂糖大根)から得た液を精製して作られますが、ソルビトールや還元水飴などの合成甘味料はジャガイモやトウモロコシのでん粉から作られます。
そのため、第二次世界大戦の戦時中や戦後の砂糖不足のときに、安価で得られる砂糖の代用品として普及しました。

ですが単なる砂糖(甘味)の安価な代用品にとどまらず、近年では砂糖にはない特長(「熱、酸、アルカリに強い」「微生物の栄養になりにくい」「消化吸収されにくい」)などが着目されて、加工食品に多用されるようになりました。加工食品だけでなく、もしかしたらダイエット食品の分野でご存じと言う方も多いかもしれませんね。

還元水飴は従来の「水飴」の難点を化学的に解決したもの

従来の砂糖や水飴は加熱により着色しやすく、他の成分との反応性が高いので劣化しやすいそうです。
また、世間の健康志向に沿って低カロリー・低甘味を目的に含有量を減らすと、食感や仕上がりの形状や保存性が悪くなるとのこと。そこでこれらの欠点を補うために開発されたのが還元水飴なのだそうです。

最初からそれが目的だったのか、または合成甘味料を研究している過程の副産物だったのか、詳しい開発経緯は私にはわかりませんが、要するにそういうことなので、還元水飴は今では多方面に広く普及し、従来の甘味よりも、テリ・ツヤの向上やとろみ付け、保存料、変色防止などにたくさん使われています。高度の被膜性を生かし「地球にやさしい食品由来の製材」としてなんと殺虫剤にも使われています^^

還元水飴をめぐる議論

ソルビトールが多数含まれる

前述した通り、還元水飴の主成分はグルコース(ブドウ糖)とソルビトール(合成甘味料)です。
ソルビトール自体は、梨、リンゴ、プルーンなど天然の果実や海藻類にも含まれますし、安全性が確立されていて危険度は高くないようですが、合成甘味料がとても気になる人には、避けた方がいい原材料ということになります。

ちなみに、多量に摂取するとお腹がゆるくなる(つまり下痢)作用がありますが、それはソルビトール単体をカップヨーグルト一杯に詰めて全部食べた場合(←自分の勝手な憶測)のことで、現実にそういうことはあり得ないので「気にしなくていい」という考えには賛同します。

合成甘味料なのに食品添加物には当たらない、よって「無添加・不使用」と書ける

たん白加水分解物を調べていた時にも思いましが、どうやら法律では、現存の食品を分解した物質は「食品」扱いをするようです。還元水飴は最終的に水素を加えているので分解だけの物質ではないですし、主成分にソルビトールが含まれるので合成甘味料の仲間と捉えられますが、法律上、添加物という記載をしなくてよいので、合成甘味料を表示したくない事業者の隠れ蓑(抜け道)になっている傾向もあるそうです。

ということは、「合成甘味料不使用」「無添加」と書かれている商品であっても、原材料を見て還元水飴(または還元澱粉糖化物等)と書いてあれば、代替策を取っているということがわかるということですね。(たん白加水分解物も同様です)

はぁ~、これだけ調べて書くだけでも、受験生以上に勉強した気分です(笑)



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