がごめ昆布とフコイダンで辿ったページ、考えたことの自分メモ

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母が「がごめ昆布入とろろ昆布/丸善納谷商店」という商品を買ってきたので、ブログに掲載したいと思い、がごめ昆布について調べてみました。
私の悪いクセかもしれませんが(笑)お題をひとつポンと与えられると、自分の気持ちが納得いくまで検索して次々と調べちゃうんですよね。

ですが今日はそこまでの時間もないので、思ったことや見たページだけを覚え書きとして記録するにとどめます。完全に自分のための記事なので、何かを知りたくてキーワードでご訪問してくださった皆さんのご期待には応えられないと思います。ごめんね。

がごめ昆布とは

がごめ昆布というのは、函館周辺の限られた地域でしか獲れない昆布で、表面に網目のような凹凸があることから「かごめ昆布」が元々の名前の由来のようです。どこにも「なまって変化した」とは書いていませんが、北海道は東北と言葉が似ているので(東北の人が移住した地域も多い)たぶんそんな感じなのかと思います^^

強い粘り(とろみ)が大きな特徴で、その成分はフコイダン、アルギン酸、ラミナランと呼ばれる水溶性の多糖類ですが、中でもフコイダンの含有率は、真昆布の約2倍もあるそうです。

この文章を書くのに以下のサイトを2つ見ました。単純に「がごめ昆布とは」で検索した1番目と2番目です。
? (私の検索では1位)がごめ昆布とは?特徴・栄養・効果 【通販】がごめ昆布 真昆布 昆布しょうゆ|昆布専門店「昆布村」
? (私の検索では2位)がごめ昆布とは – がごめ昆布 ねばねば本舗

がごめ昆布は健康食品のPRではよく見かけますが、興味がなかったので今まで知ろうと思ったことはありませんでした。

がごめ昆布の研究者もいるらしい

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ねばねば本舗のページを見て、がごめ昆布には専門に研究している大学の先生もいるんだな、と気が付きました。

画像:北海道大学水産学部

紹介されていたのは、北海道大学水産学部の安井肇教授という方でしたが、北大水産学部のがごめ昆布の凹凸の拡大写真の模様はとても規則的で驚かされます。アイヌの鉢巻きの柄にもにていて自然の造形美を感じさせる美しさですね。

これらのあれこれを見て思いました。

そうか、健康にいいとされている海藻であれば、研究者は他にもいるはずだし、論文などもあるんだろうなって。

そこで、そもそも、フコイダンって何なのだろう?と思いました。

そもそもフコイダンってなに?

「フコイダンとは」で私が検索すると、以下のページがトップに出てきました。(2020.6.2時点)

? フコイダンとは?|フコイダン療法の統合医療と健康を考える会

同サイトによると、フコイダンには以下の3つの作用があるそうです。

フコイダンの三大作用

1) がんに対するアポトーシス作用
2) 免疫力強化作用
3) 血管新生抑制作用

ちなみにアポトーシス作用というのは、細胞が時間と共に役目を終えて老化して死んでいく自滅作用だと思いますが(自己解釈)、がん細胞は増えるばかりで死なないらしいので、これに老衰のシステムがあれば放っておいても自然に死んじゃうよね?ということだと思います。

落ち着いたレイアウトでしっかりした団体のサイトに思えましたが、(失礼を承知で悪い言葉を使えば)結局は統合医療(代替医療)のページなので、個人的には少々がっかりしました^^

一見正統に見えますが、実はどこかの健康食品メーカーの隠れたPRなのではないか?とすぐに疑ってしまうんですよね。
自分の感覚としては、やっぱり大学とか医療機関とか研究機関とか、そっち方面の内容を読んでみたいわけです。

・・・と思っていたら、よく読むとこの団体の理事は九州大学の先生のようです(理事長はほかにいる)。

フコイダンのがんに対する代表的な作用として、次に挙げる3つが明確になっています。それが「フコイダンの三大作用」です。ここでは、これら「フコイダンの三大作用」:アポトーシス誘導作用、免疫力強化作用、血管新生抑制作用について、当会理事である、九州大学大学院の白畑實隆教授の研究に基づいてご紹介します。

そこでこのページからリンクが張られていた九州大学フコイダン研究ページというところをクリックしてみました。

白畑實隆氏って何者だ?

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表示されたのは

? がん治療に海藻由来酵素消化低分子化フコイダンの抗腫瘍効果の研究

という大学内のページでした。この辺まで来ると民間臭さ(ビジネス臭)が少し抜けてきて多少は信頼感を持って閲覧できそうな気がますが、あれ?この写真の先生(照屋 輝一郎さん)は、さっきのサイトで理事として紹介されていた先生(白畑實隆さん)ではないんですね。

そう思って再度「白畑實隆」で検索してみると、検索3位に「白畑實隆研究室 – 九州大学 論文捏造疑惑 – Goo ブログ」というタイトルが表示されたので(2020.6.2時点)、興味が出てそれを真っ先に見てしまう^^。
白幡先生はちょっとグレーっぽい人なのかしら?^^著書もいくつかあるようですが・・・(全部「がん」関係)

そこでもう一度検索に戻ってみると検索7位に「白畑教授のご紹介 – コムネットパワーフコイダン」という健康食品会社のサイトがあり、論文捏造の真偽は不明ですが、やっぱり健康食品ビジネスとは関わりのある人なんだなー、ということがわかりました。

第一産業はフコイダンサプリと電解還元水生成器の会社

さらに、タイトルから見て何かのニュースリリースだろうと思って最初はスルーした検索4位の「九州大学大学院システム生命科学府との共同研究についてのご …」という見出しを開けてみたら、第一産業という会社のサイトでした。

第一産業のHPは医療機関をイメージさせるデザインだったので、製薬会社かと思っていたら、これが!さっきのパワーフコイダンの製造元で、しかも電解還元水生成器もやっていて、さらに!私が一番最初に見た「統合医療と健康を考える会」の黒幕(笑)?かと思われました。(”「統合医療と健康を考える会」に所属”と書いてある)

だよね~、やっぱりね。だいたいああいうのはそうなんだよね。
だからたとえそれがきちんとした研究成果に基づく真実であったとしても、売る側の恣意は必ずどっかに入るので、必要以上に真に受けない方がいいってことですよね。

大学の先生もわからんな

ここまで大々的に紹介して「直接の関係はない」って・・・

なるべく正統なリソースから情報を得たいと思って「フコイダンとは」で検索しても、トップ表示されるページ群は健康食品会社の息がかかっていると思われる団体のものです。その団体の理事で研究者の白畑實隆氏はなんとなくちょっとグレーな人で、しかも電界還元水素水の研究者でもある、と。

? 九州大学 白畑實隆教授 - 還元水素水研究のパイオニア

ところが還元水素のほうも「毎日新聞の白畑教授へのインタビュー記事について(2003/08/18)」という山大関係者(先生?)のサイトで突っ込みが入っているし、しかもご本人はもうお亡くなりになっているんですね。

大学の先生というのも、よくわからない存在ですが、誰かが学者として取り組んでいる研究に対して、企業の側がビジネスチャンスを感じて連携することもあるし、逆に研究機関が企業に対して出資者を募ったり商品化を打診するのは工業分野ではよくあることなので、悪いことだとは全く思いません。

ですが健康食品になると妙に怪しい雰囲気が漂うのはなぜなんでしょうね^^

フコイダンが注目され始めたのは1996年のタカラバイオの発表から

Wikipediaによるとフコイダンは”1996年の日本癌学会で制癌作用が報告されてから健康食品として注目を浴びるようになった”そうです。発表者はタカラバイオを含む研究者チームのようです。
残念ながらタカラバイオの健康食品部門は2019年1月1日よりシシオノギヘルスケアに譲渡されてしまったため、PDFはリンク切れになっていましたが、以下に記録がありました。

? ガゴメコンブ由来fucoidan及びその酵素分解物により誘導されたヒト胃癌と結腸癌細胞株のアポトーシス

タカラバイオの健康食品部門のHPはもうありませんが、Internet Archiveで過去ページを見てみると同社はフコイダンに関してたくさんの研究発表をしているようです。

? 医食品バイオTOP>健康食品事業>フコイダン>研究論文・学会発表|タカラバイオ株式会社

タカラバイオのコンテンツをシオノギヘルスケアが引き継ぐ

そして事業を継承したシオノギヘルスケアのフコイダンのページでは、一番最初にご紹介した北海道大学の安井肇先生を発見してしまいました。

北大×シオノギは函館のガゴメ昆布ですが、九大×第一産業?はモズク(沖縄、トンガ)です。いやはや、北と南の対決なんですね^^
シオノギは大会社ですが大きな会社が必ずしもいいとは限りません。(フコイダンについてはわかりませんが)新しい分野の健康食品は従来品とバッティングしたり、従来品の発想を否定する新しい考えが含まれていたりするので、ベンチャーのほうが先鋭的な姿勢で良品を出していることもあるからなんですよね。

フコイダンは北海道の地域振興で期待の星

北海道大学水産学部の安井肇先生という方は平成30年度北海道科学技術賞を受賞していますが、授賞理由は「ガゴメの特性を生かした産学官連携による産業クラスターの形成」だそうです。以下に詳細があります。

? 平成30年度北海道科学技術賞受賞者功績概要(北海道)

これを読むと、”ガゴメは食用だけでなく化粧品、化成品、医療用原材料などとして活用されるようになり、その経済波及効果は200億円と試算されるなど、本道の産業振興に多大な貢献をした”とあるので、函館のガゴメ昆布は地域振興の素材として産業的に期待されているということですね。たぶん沖縄のモズクも同じなのかも。

サクッと検索しただけですが、大学では北大と九大が研究をしていて(追記:鳥取大学も、鹿児島大学も)、企業ではシオノギやヤクルトほか大小さまざまのメーカーがサプリメントを研究開発&発売しているフコイダンですが、あるショップの解説によるとそもそもフコイダンは特定の物質ではなく”褐藻類から抽出される糖の結合体を含むもの”だそうです。

? フコイダンとは?|ショップフコイダン

なので、”構成している糖の組み合わせは、海藻の種類や抽出の方法によって大きく異なる”らしいのですが、北海道イチオシのガゴメ昆布や九州・沖縄チームのモズク(沖縄、トンガ)など、サプリの世界は混戦模様です。

海外の研究成果などもあるようなので、何かの効果はたぶんありそうです。
でも、個人的には最初から浮かんでいる大きな疑問がありまして、それは「食べて効果があるの?」ということなんですよね。

フコイダンは高分子多糖体ですが消化で分解されるのでは?

このブログをやっていなければこんな疑問は浮かばなかったはずですが、少しでもまともな記事を書こうと思って色々なことを毎回調べていくと(大嫌いな)化学に触れないわけにはいかなくなります?

その過程で今まで何回も消化や分解の解説ページを苦労して読む羽目になっているわけですが、高分子というのは分子がわんさか複雑にいっぱいくっついていて最小単位がデカい物質ということです。それを酵素で切り離して体に取り込めるまで小さく分解していくのが「消化」ということだと思います。

ということはどんなに物質としてがんに効果があったとしても、食べたら意味ないってことですよね。

ここでようやく書きたかった本題になるのですが(遅すぎw)、であれば効果があるならあるで、どういう実験が行われてどういう結果だったのかを、元々は知りたかったんです。
ですが、動物実験はあるようですが、ヒトの臨床研究は数が少なく、エビデンスとして成立するまでには至っていないようです。

参考情報としては、NPOフコイダン研究所と株式会社ヴェントゥーノが九州大学に寄付した講座でこんなのが出ていました。でもがんへの直接の効果は観察されず「フコイダンミックスの経口摂取は唾液中のsIgAの量を増加させ」たとあるので、ある意味、事実に即した書き方で信用できるのかも。

? フコイダンミックスの免疫増強作用の評価に関する小規模臨床試験|機能性多糖分析学寄附講座

Wikipediaも頭から信用しちゃだめよね

Wikipediaは有志の持ち寄り情報で成り立っているサイトなので、常に最新かどうかはわかりませんが、現時点では以下の点が未解明となっています。

  • フコイダンの色、味、匂い、比重はどうか。
  • フコイダンが含まれている食品と、フコイダンの抽出方法。
  • フコイダンが「加熱」「冷凍」「粉末」などの調理に耐えられるかどうか。
  • フコイダンの分子状態には、「高分子」「超低分子」があり、超低分子にすると吸収が良くなる反面、分子の結合が弱まって効果が下がるとされているという、違いについて。

ですが上記もWikipediaでたまたま開いてみた2009年4月17日版からは更新されていない様です。
Wikipediaではすべての版の履歴を見ることができますが(PCのみ)、2010年10月31日の版から新たに追加され、2011年7月1日 の版で数行加筆されている以下の文章は、その後削除されたようです。こういうのもたぶん関係者が書いていると思うので、各メーカーさんがWikipediaの編集でもしのぎを削っているのかもしれません。

健康食品として(現在はWikipediaから削除)

現在既に各社から昆布やモズクなどを原料に、様々な製品が発売されている。 しかしそれらはあくまで健康食品であり、病気の療養に当たってはそれら製品に対し、過度に頼る事は避けるべきである。 また、医薬品でないにもかかわらず、効能を表示していたり、インターネットでの誇大広告、一見販売とは無関係のの団体をうたい、高額の製品に誘導する手口等には気をつけなければならない。これらの行為は法令違反[1]である。

前述にあるように、フコイダンの学術的定義は「高分子多糖体」であり、低分子これは通常フコースとよばれ単糖である、低分子フコイダンの表現は学術的には存在しない。しかしながら販売差別化のため多様な表現が使われている現状が存在する。

Wikipediaのフコイダンの履歴を見ていると、上記一文がまるっとなくなっていたり、健康食品メーカーへのリンクが追加されては削除され・・・を繰り返しているようです。Wikipediaも、頭から信用したらダメということですよね。

(追加情報)亡くなった白幡教授のインタビューがページの更新で再浮上

翌日、前項までのきのうの内容を補足しようと思い、あらためて「白畑實隆」(教授)で検索をしてみたら、きのうまで表示されなかったページがトップに!

? 注目の『還元水素水』、驚くべき可能性!! 九州大学大学院白畑教授 原子状水素 – ようこそ Japan!

サイトを開いてみると、還元水素水に関する故白幡教授のインタビュー記事でした。還元水素水のメーカーが過去のページに、新型コロナに関連付けするような動画を新たに追加したため、日時が2020.4.1に更新されて2015年の記事が浮上したものと思われます。
でもこの記事は2015年に作成されたもので(公開当時→?Archive)教授は2017年に亡くなっています。そういうことをわかっていないと、生きている方の最新情報のように見えてしまいますよね。

Wikipediaだけでなくインターネット全体の情報もしっかり見極めて行かないとダメだなぁと思いました。
書いているとキリがないので、この話題はこれで終わりにします。